年金受給資格期間の短縮
「年金受給資格期間の短縮」
平成29年8月1日より老齢年金の受給資格期間が25年から10年に短縮されました。
例えば、受給資格期間が15年間の方は老齢年金が受給できませんでしたが、平成29年8月1日に受給権が発生することになります。
10年以上の年金加入期間がある方には、今年の2月から順次年金請求書類が送付されています。年金は裁定請求を行わないと受給できないため、これらの方も裁定請求手続きが必要となります。
また、加入期間が10年未満の方でも合算対象期間(カラ期間)を含めて10年以上となる場合は、老齢年金の受給権が発生します。そのため、カラ期間の洗い出しが以前にも増して重要となっています。カラ期間があるかないかは日本年金機構では把握していないため、ご本人が証明をしなければなりません。カラ期間とされるのは、基本的には国民年金の任意加入対象期間となります。代表的は例としては、「日本国民であって日本国内に住所を有していなかった期間(海外在住期間)のうち昭和36年4月以後の期間で20歳以上60歳未満の期間」があります。
受給期間の短縮により、今後は老齢年金が受給しやすくなりましたが、10年納付すればよいと考えてしまうと将来の低年金者となってしまいます。10年の納付済期間の場合では、老齢基礎年金は満額支給の4分の1の額です。老齢年金は納付実績によって受給額が決定されるからです。これだけでは、将来不安なく生活ができる金額にはなりません。この点は、誤解がないように十分に気をつける必要があります。
佐々木 良