労働時間等見直しガイドラインが改正されました
労働時間等見直しガイドラインが改正されました
『労働時間等見直しガイドライン』(労働時間等設定改善指針)とは、事業主が「労働時間等の設定の改善」について適切に対処するために必要な事項について定めたものです。
◆労働時間等の設定の改善とは
労働時間、休日数および年次有給休暇を与える時季その他労働時間等に関する事項について、労働者の健康と生活に配慮するとともに、多様な働き方に対応したものへと改善することをいいます。
この労働時間等見直しガイドラインが改正され、平成29年10月1日から適用されていますので、その改正内容についてお知らせいたします。
◆労働時間等見直しガイドラインの改正点
①「地域の実情に応じ、労働者が子どもの学校休業日や地域のイベント等に合わせて年次有給休暇を取得できるように配慮すること」が盛り込まれました。
⇒平成30年4月から「キッズウィーク」(地域ごとに夏休みなどの一部を他の日に移して学校休業日を分散化する取組)がスタートします。分散化された子どもの学校休業日に合わせて子どもたちの親をはじめ、労働者が年次有給休暇を取得できるよう配慮をお願いします。
②「公民権の行使又は公の職務の執行をする労働者について、公民としての権利を行使し、又は公の職務を執行する労働者のための休暇制度等を設けることについて検討すること」が盛り込まれました。
⇒公民権の行使や公の職務を執行する労働者のための休暇制度等を設けることについて検討をお願いします。また、裁判員法第100条により、労働者が裁判員として職務を行うため休暇を取得したこと等により、解雇その他不利益な取扱いをすることは禁止されています。
③「仕事と生活の調和や、労働者が転職により不利にならないようにする観点から、雇入れ後初めて年次有給休暇を付与するまでの継続勤務期間を短縮すること、年次有給休暇の最大付与日数に達するまでの継続勤務期間を短縮すること等について、事業場の実情を踏まえ検討すること」が盛り込まれました。
⇒労働基準法上、年次有給休暇は入社6か月後に付与され(8割以上の出勤要件あり)、その日から起算して6年後に最大付与日数となりますが、仕事と生活の調和や、労働者が転職により不利にならないようにする観点から、雇入れ後初めて年次有給休暇を付与するまでの継続勤務期間を短縮すること等について検討をお願いします。
また、子の養育又は家族の介護を行い、又は行うことになる労働者の職業生活と家庭生活との両立が図られるようにするために事業主が講ずべき措置等について定めた「育児・介護休業指針」も1点改正されましたので合わせてお伝えいたします。
◆育児・介護休業指針の改正点
①「子の看護休暇及び介護休暇について、労使協定の締結をする場合であっても、事業所の雇用管理に伴う負担との調和を勘案し、当該事業主に引き続き雇用された期間が短い労働者であっても、一定の日数については、子の看護休暇及び介護休暇の取得ができるようにすることが望ましいものであることに配慮すること」が盛り込まれました。
⇒育児・介護休業法上、子の看護休暇及び介護休暇は、労使協定を締結することにより入社6か月未満の労働者を除外することができますが、労使協定を締結する場合であっても、入社6か月未満の労働者が一定の日数を取得できるようにすることが望ましいものであることに配慮をお願いします。
売り手市場の昨今、企業イメージの向上や優秀な人材の確保、定着の可能性を高めるために、このガイドライン等改正点をご検討されてみてはいかがでしょうか。
野々山 環
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