働き方・休み方改善指標の活用方法などの最新版を公表
厚生労働省が運営するサイト「働き方・休み方改善ポータルサイト」に、「働き方・休み方改善指標の活用方法(2018年度版)」および「休み方改善取組事例集(平成2019年3月)」が掲載されました。「働き方・休み方改善指標」とは、自社の現状(実態)を把握するための指標で、これを用いて、実態の「見える化」を図りましょう、というものです。
適切な労働時間で働き、きちんと休暇を取得することは、仕事に対する社員の意識やモチベーションを高めるとともに、業務効率の向上にプラスの効果が期待されます。社員の能力がより発揮されやすい環境を整備することは、企業全体としての生産性を向上させ、収益の拡大ひいては企業の成長・発展につなげることができます。
他方、長時間労働や休暇が取れない生活が常態化すれば、メンタルヘルスに影響を及ぼす可能性が高くなり、生産性は低下します。また、離職リスクの上昇や、企業イメージの低下など、さまざまな問題を生じさせることになります。社員のために、そして企業経営の観点からも、長時間労働の抑制や年次有給休暇の取得促進が求められています。
働き方・休み方を改善するにあたり、まずは自社の労働時間や休暇取得の実態や、どのような課題があるのか、そして働き方・休み方改革を推進するために何に取り組むことが効果的なのかということを把握することが必要です。そこで、企業の皆様が働き方・休み方の改善に向けた検討を行う際にご活用いただくツールとして、新しい「働き方・休み方改善指標」が開発されています。
この指標は社員の労働時間や休暇に関する実態などを「見える化」するとともに、自社において必要な取組内容を多角的な観点から検討いただくためのものであり、パンフレットでは指標の内容や活用方法が紹介されています。
調査結果によると、仕事と生活の調和のとれた働き方の実現を経営方針等に掲げている企業では、「労働者の健康の確保・増進」や「労働者の意欲向上」など、社員が健康で意欲的に働けることを重視しています。一方、仕事と生活のバランスに対する社員の認識をみると、仕事と生活のバランスが取れていると感じている人とそうでない人は概ね半々で、バランスが取れていないと感じている人が少なくありません。
仕事と生活のバランスを取ることが難しい背景には、「所定労働時間が長いから」「残業時間が長いから」「年次有給休暇が取りづらいから」など、恒常的な長時間労働や年次有給休暇が取りづらい職場環境があることがうかがえます。
企業は長時間労働の抑制や年次有給休暇の取得促進のために、具体的にどのような取組を行っているのでしょうか。「働き方・休み方改善指標」のチェックリストのうち、「実態把握」や「情報提供・相談」「方針・目標の明確化」については、取り組んでいる企業が比較的多くなっていますが、「意識改善」や「改善促進の制度化」については、全体的に取組が低調となっています。
また、「仕事の進め方改善」についても、取り組んでいる企業は少ない傾向にあります。働き方・休み方改善を進めるためには、企業の経営トップや人事担当部門等が主導する取組はもちろんのこと、それぞれの職場において管理職を中心に意識改革や仕事の進め方の見直しに取り組むことが不可欠です。
働き方・休み方改善に取り組んでいるが、十分な効果が感じられないという場合は、自社で取り組んでいる内容に偏りがあるかもしれません。働き方・休み方改善を実効性のある取組とするために、「働き方・休み方改善指標」を活用して、自社に必要な取組を多角的な観点で検討してみましょう。
パンフレットでは、まず、「Ⅰ働き方・休み方改革の必要性とポイント」にて、本事業で実施した企業アンケート及び労働者アンケートの結果より、働き方・休み方に関する課題と取組状況を紹介しています。次に、「Ⅲ働き方・休み方改善指標を使ってみましょう」では、今回新たに見直しを行った「働き方・休み方改善指標」について解説を行っています。
指標には、企業向けと社員向けに、それぞれレーダーチャートとチェックリストがあります。企業向けの指標を活用して、課題分析を行うと、診断結果に基づいて企業として優先的に行うべき取組提案が示されますので、自社の課題や取組内容を分析・検討する際の参考となります。また、社員向けの指標は、社員が自身の働き方・休み方を自己診断するために活用するほか、社員全体を対象としたアンケート調査等により、社員の職場環境に対する認識や、日頃の仕事の進め方等を把握し、職場において改善が必要な取組を検討する際にも活用することができます。
詳しくは、こちらをご覧ください。
参照ホームページ[働き方・休み方改善ポータルサイト]
https://work-holiday.mhlw.go.jp/material/pdf/category1/190405_1.pdf