フローの階段を登ろう!
ガジェットと読書をこよなく愛する社労士、山岡です。
今回は、脳科学者である茂木健一郎氏の著作『続ける脳 最新科学でわかった!必ず結果を出す方法』という本を踏まえながら、茂木氏がYouTubeで話していた内容も加味して、皆さんにお伝えしたいと思います。
まず本書の内容ですが、ペンシルヴァニア大学教授で心理学者のアンジェラ・ダックワースが提唱した「グリット(やり抜く力)」を出発点に、脳科学の視点から現代における成功を解き明かしていきます。
その人の成功を決めるのは、才能でも知能指数でもありません。それは「困難があっても続ける力」「情熱をもって取り組む粘り強さ」なのです。
偏差値も肩書きもいらない世界が、そこには広がっているということがよくわかる本だと思います。
これから紹介するのは、第3章の「フロー」の概念についてです。
「フロー」とは、ミハイ・チクセントミハイが提唱した理論のことであり、今ここに集中することによってパフォーマンスを最大化でき、時間の流れを忘れ、自分の存在をも忘れ、最大の喜びをその行為から得られる、というものです。
この「フロー」に関しては、茂木氏はさまざまな場面で言及しており、YouTubeでも度々話題にしていました。
本来「フロー」というのは、スキルと課題が高いレベルで一致することが必要と言われています。
つまりは、能力の高い人間が、それに見合ったレベルの高い課題と向き合うことで「フロー状態」になるということだと考えられます。
そうであれば、スキルの低い人の場合は「フロー」に至れないのでしょうか。
最初は誰もがスキルの低い状態ですが、無我夢中で仕事や勉強に取り組み、「フロー」を体験することができれば、人材育成の観点からも良いと思います。
新入社員も「フロー」によって成長を加速させていくことが、これからの複雑な時代には必要なことだと考えます。
では、どうすればいいのでしょうか。
それは、スキルと課題が一致するように調整すればいいと茂木氏は述べています。
スキルが低いレベルにある人だったら、低いレベルで、しかし自分がギリギリでできる課題を設定し、それを目指して努力していく。
最初の課題をクリアするとスキルがちょっと上がるので、その時にまた課題を少し上げることができます。
自分の活動を、フローの状態の中に常にキープするようにして、徐々に徐々にスキルも課題も上げていくのです。
そうやって、徐々に、段々と、フローの階段を上がっていけばいいのです。
このように自分の活動を調整していくと、常に最高の経験をしながら学習することができます。
冒頭にも書きましたが、「フロー」という概念はスキルと課題が非常に高いレベルで一致すると定義されることから、初心者はそこにどうやって到達すればいいのかがわからず、初心者にとって「フロー」はどういう意味があるのかという議論になりがちでした。
しかし、茂木氏のいう「フローの階段を登る」という考え方であれば、初心者にも「フロー」を経験することができます。
初心者も、DAY ONEから、最初の1日目から「フロー」という概念を適用できるのです。
常にスキルレベルに合わせた課題を設定して、フローの階段を上がっていくということを一生続けていければ、アンチエイジングにもなり、何歳になっても若々しい脳を保つことができる、と茂木氏は話していました。
さあ、皆さんも「フローの階段」を一緒に登りましょう!!