パワーハラスメントの予防・解決の取組み
厚生労働省が、今年7月に「パワーハラスメント対策導入マニュアル」(第2版)を公開しました。
マニュアルは下記ページでダウンロードできます。(あかるい職場応援団)
https://www.no-pawahara.mhlw.go.jp/jinji/download/
今回のマニュアルは、パワーハラスメントについて社内で相談があった時の相談者への対応や事実確認の方法、とるべき措置の検討方法を具体的に解説しています。
また、このマニュアルを活用した「パワーハラスメント対策支援セミナー」を、2017年2月まで全国で開催しています。(参加無料、事前申込制)
パワハラは企業にとって、悪影響しかありません。パワハラによって仕事への意欲をなくすと生産性が低下します。パワハラが心の病気につながりますと休職者や退職者が増えます。周囲の人たちも仕事への意欲が低下し、職場全体の生産性にも悪影響を及ぼします。
またパワハラが容認されていたり、パワハラに加担する人が複数人いるような職場では、善良で健全な社員は定着せず、社風は悪くなる一方です。
職場のパワハラの行為類型は以下6つです。
①【身体的な攻撃】 暴行・傷害
②【精神的な攻撃】 脅迫・名誉棄損・侮辱・ひどい暴言
③【人間関係からの切り離し】 隔離・仲間外し・無視
④【過大な要求】 業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害
⑤【過小な要求】 業務上の合理性がなく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じる、仕事を与えない
⑥【個の侵害】 私的なことに過度に立ち入る
職場で上記の行為を禁止したとしても仕事には全く差し支えありません。むしろ社風が良くなり、職場が明るく元気になり、業績は向上するでしょう。
企業として職場のパワハラに加担していなくても問題を放置した場合は、裁判で使用者としての責任を問われることもあり、多額の損害賠償金の支払いが必要となったり、イメージダウンにつながる恐れもあります。
企業は、業績悪化や貴重な人材の損失を回避するために具体的な取組を進める必要があります。
職場のパワハラを予防・解決するために以下7つの項目が掲げられています。
【予防するために】
①トップのメッセージ(組織のトップがパワハラ撲滅の意思を明確に示す)
②ルールを決める(就業規則に規定、労使協定を締結)
③実態を把握する(従業員アンケートの実施)
④教育する(研修の実施)
⑤周知する(組織の方針や取組について周知、ポスターの掲示)
【解決するために】
⑥相談や解決の場を提供する(相談窓口の設置、外部専門家との提携)
⑦再発を防止する(行為者に対する再発防止研修の実施)
パワハラの予防・解決の取り組みは、誰もが生き生きと働くことが出来る職場を実現し、企業を健全に発展させるためにとても大切なことです。
大谷雄二